ブラシレスモーターの駆動原理
ブラシレスモーターの構造を理解したら、次はどうやって回転するのでしょうか?ここでは、最もシンプルな3N2Pブラシレスモーターを例に挙げます。まず、正電源を端子aに、負電源を端子bに接続し、端子cは接続しないものとします。すると、コイルAによって発生する磁場は左上向き、コイルBによって発生する磁場は上向き、そして磁場のベクトル和は左上向きになります。コイルAとコイルBの磁場の作用により、ローター磁石は図に示す方向に回転します。
次の瞬間、正電源を端子cに、負電源を端子bに接続し、端子aは停止状態にします。すると、磁場のベクトル和は右上方向に向き、ローター磁石は次の図の位置1から位置2へと回転します。
同様に、電源供給のためのc+a-、a-b+、b+c-、c-a+、a+b-、b-c+という後続のシーケンスでは、ローター磁石は円状に回転します。電流が6回切り替わるごとに、ローターは1回転します。3つのコイルの間隔は120°離れているため、2つのコイルが同時に導通している場合、トルクは1つのコイルの√3倍になることは容易に推測できます。

上記の駆動方法では、2つのコイルが同時に導通するため、「2-2導通」駆動モードと呼ばれます。一方、3つのコイルが同時に導通する「3-3導通」駆動モードもあります。例えば、印加電圧がa+bc-の状態にある場合、3つのコイルすべてが磁場を発生させるため、ステータ磁石は次の図の位置まで回転します(N極はコイルAの正反対です)。
さらに、コイルAの電流はコイルBとコイルCの電流の合計に等しいため、総トルクはコイルAのトルクの1.5倍になります。「3-3導通」駆動モードでも、1回転に6ステップかかることは容易に理解できます。コイル電圧をa+bc-、a+b-c+、ab-c+、a-b+c+、a-b+c-、a+b+c-と順に制御すれば、ステータも回転します。